「 統合医療 」とは、個人差を重視して、現代西洋医学を基にした科学的な先端医療から伝統医学、自然療法といったさまざまな治療法を積極的に取り入れ、多面的に組み合わせた医療です。病状や生活背景が異なる一人ひとりの患者に対し、医師や各分野の専門家が連携して医療に当たることで、従来では考えられなかったような優れた治療効果を上げること、そして患者自身の気持ちに寄り添う満足度の高い医療であることをめざします。
チーム医療の先進国である米国に倣い、わが国でもようやく国会で統合医療についての議論が始まり、これから普及・推進をはかるべく、さまざまな活動がスタートしています。
統合医療への理解を深め、人に優しいオールラウンドな医療に貢献したいという医療従事者のために、「 統合医療臨床アカデミー 」を平成22年6月に開校いたします。
現代西洋医学を基礎として東洋医学、食事、運動、心理、予防医学、自然療法、最先端治療という8つの柱の中から、各専門分野を牽引する第一人者により統合医療を学びます。医療の現場にたずさわる有資格者(国家資格、民間資格)を対象に、医療の質と幅広い知識の向上をはかり、診療時の患者とのコミュニケーションスキルに至るまで実践的なトレーニングを行っていきます。
医療の現場ですぐに貢献できる“統合医療のスペシャリスト”の養成を目指す当校は、自らが日本の医療の在り方を変えていきたい、という熱意あふれる方を求めています。
遺伝子情報や分子生物学による高度先進医療。臓器不全に対する万能細胞治療や、がんに対するペプチドワクチン、樹状細胞療法、リンパ球療法などが注目されています。
患者の病状や診断に必要な検査から内科的療法、そして、客観的に正確な診療の安全管理情報を把握するためにも現代西洋医学の知識が不可欠です。統合医療の基礎となります。
治療や回復の妨げとなる心理的問題を解決し、精神的な安定と自発的な治療・健康増進への取り組みに役立つ療法です。認知法や行動療法、イメージ療法などがあります。
健康な生活に必要な骨や筋肉を維持し、血液循環や栄養吸収を高めるために運動療法は有効です。運動によるストレス解消や癒やし効果など、精神衛生にも寄与します。
土着の薬草や鉱物、人の手などを用いて行われてきた伝統的治療体系。現代ではQ.O.Lを高めるための補完療法として気質や体質、症状に合わせて治療に取り入れます。
健康診断、人間ドック、遺伝子診断などを通じて、生活習慣病予防や疾病の早期発見を行います。疾病の予防だけでなく、健康増進や抗加齢医療なども含みます。
細胞・組織の材料となる栄養素や食習慣についての知識は、生活習慣病をはじめとするさまざまな疾患の治療・改善に必須です。食事指導、栄養療法、サプリメント療法など。
伝統中国医学に基づき、全身的な調節に重きをおき、独特の生理観、疾病観があります。代表的な療法は、体質に合わせて処方を行う漢方療法や鍼灸、インドの伝統医療など。